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永井荷風による『あめりか物語』

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オーディオブックを聴く:永井荷風による『あめりか物語』 あめりか物語 明治三十六年の秋十月の頃より米國に遊びて今茲明治四十年 の夏七月フランスに向ひてニューヨークを去るに臨み、日頃 旅窓に書き綴りたるものを採り集めて、あめりかものがたり と題し、謹んでわが恩師にして恩友なる小波山人巖谷先生の 机下に呈す。明治四十年十一月里昻にて永井荷風。 船房夜話...

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ジョン・ミード・フォークナー著「雲形紋章」

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オーディオブックを聴く:ジョン・ミード・フォークナー著「雲形紋章」 雲形紋章 プロローグ 鉄道駅舎、教育施設、教会堂を建造し、著述家にして古美術商、さらにファークワー・アンド・ファークワー商会の共同経営者であるジョージ・ファークワー准男爵は、自分のことばに重みを持たせようと、事務室の椅子にそり返り、くるりと横をむいた。彼の前にはカラン大聖堂の修復工事に監督として送られる部下が立っていた。...

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クリストファー・モリー著「幽霊書店」

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オーディオブックを聴く:クリストファー・モリー著「幽霊書店」 幽霊書店 クリストファー・モリー 書店主各位へ このささやかな本を皆さまに愛情と敬意を込めて捧げます。 作品の欠陥はだれの目にもあきらかでしょう。わたしは「移動書店パルナッ ソス」において大活躍し、一部の方からありがたくもお褒めの言葉をいただい たロジャー・ミフリンの冒険談のつづきをお話ししたいと思ってペンを取りま...

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裁判(Saiban) by Elmer Rice

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オーディオブックを聴く: 裁判(Saiban) by Elmer Rice 裁判 プロローグ (場面:法廷。裁判官席に座る裁判官、等々。陪審員席には十二名の男。) 書記 ミスタ・サマーズ、陪審員席の空いているところにお座りください。 サマーズ (足音)ジョン・サマーズです。 グレイ ミスタ・サマーズ、ご職業は? サマーズ 電気技師です。 グレイ 個人でお仕事を? サマーズ...

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血笑記 レオニード・アンドレーエフ著

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オーディオブックを聴く:血笑記 レオニード・アンドレーエフ著 血笑記 アンドレーエフ作 二葉亭譯 (前編、斷篇第一) …物狂ほしさと怖ろしさとだ。 初めてこれを感ずるのは某街道を引上げる時であった。もう十時間も歩き続けて、休息もせず、歩調も緩めず、倒れる者は捨てて行く。敵は密集団となって追撃して来るのだ。今付けた足跡も三四時間の後には敵の足跡に踏消されて了う。暑かった。何度であったか、四十度、五十...

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谷崎潤一郎著「刺青(しせい)」

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オーディオブックを聴く:谷崎潤一郎著「刺青(しせい)」 刺靑 (Shisei) それはまだ人々が「愚」という尊い徳を持っていた頃であり、世の中が今のように激しく軋み合ってはいなかった。殿様や若旦那の長閑な顔が曇らぬように、御殿女中や傾城の笑いの種が尽きぬようにと、お喋りを売るお茶坊主や幇間といった職業が立派に存在し得たほど、世間はのんびりとしていた時代であった。女九郎、女自雷也、女鳴神――当時の芝...

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マリー・ベロック・ローデス著「下宿人」

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オーディオブックを聴く:マリー・ベロック・ローデス著「下宿人」 下宿人 第一章 ロバート・バンティングと妻のエレンは、弱々しく燃える埋み火のまえに座っていた。 この部屋は、彼らの家が不衛生とまでは言わないまでも、すすけたロンドンの通りに面していることを考えると、ことのほか清潔で手入れが行き届いていた。ふらりと訪れた客、特にバンティング夫婦より上の階級に属する客は、その居間のドアを開けるやいなや、二...

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谷崎潤一郎著「惡魔(あくま)」

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オーディオブックを聴く:谷崎潤一郎著「惡魔(あくま)」 惡魔 眞つ暗な箱根の山を越すときに、夜汽車の窓で山北の富士紡の灯をちらりと見たが、やがて又佐伯はうとうとと眠ってしまった。それから再び眼が覚めた時分には、もう短い夜がカラリと明け放れて、青く晴れた品川の海の方から、爽やかな日光が、真昼のようにハッキリと室内へ差し込み、乘客は総立ちになって、棚の荷物を取り片付けている最中であった。酒の力で漸く眠...

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佐藤春夫著『殉情詩集』

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オーディオブックを聴く:佐藤春夫著『殉情詩集』 殉情詩集 殉情詩集自序 我自幼年以來就喜愛詩歌,記得開始嘗試創作是在十六歲的時候。如今十五年已匆匆過去。此後,我公開發表的試作大約有百餘篇。其中一半是抒情詩,一半是當時反映我個人觀點的關於社會問題的傾向詩。如今都已散佚。僅憑記憶,能記起的數量也僅有十指之數。然而,我並無遺憾。反而為此感到欣慰。雖然此後並未斷絕詩歌創作的志向,但我自覺無才,且缺乏精進的...

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谷崎潤一郎著「續惡魔(Zoku-Akuma)」

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オーディオブックを聴く:谷崎潤一郎著「續惡魔(Zoku-Akuma)」 佐伯は、頭の具合が日に増し悪くなって行くような心地がした。癲癇、頓死、発狂などに対する恐怖が、始終胸に蟠って、それでも足らずに、いやが上にも我から心配の種を撒き散らし、愚にもつかない事ばかりに驚き戦きつつ生を続けていた。叔母が或る晩、安政の地震の話をして、もう近いうちに、再び大地震の起る時分だと、仔細らしく、予言したのをちらり...

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苦悶の欄 by アール・デール・ビガーズ

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オーディオブックを聴く:苦悶の欄 by アール・デール・ビガーズ 苦悶の欄 第一章 二年前の七月、ロンドンの猛暑はほとんど我慢の限界をこえていた。いま思えば当時の焼けつく大都市は、拷問部屋へつうじる控えの間のごとき役割をはたしていたのかもしれない。つまり世界大戦という地獄のおとずれにむけて不充分ながら下準備をととのえていたわけである。セシル・ホテルのそばにたつ、ドラッグストアのソーダ水売り場には大...

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永井荷風「腕くらべ」

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オーディオブックを聴く:永井荷風「腕くらべ」 腕くらべ はしがき おのれ志いまだ定まらず、二十の頃よりふと戯れに小説といふもの書きはじめ、いつか身のたつきとなして數れば、こゝに十八年の歳月をすごしけり。あゝ十八年。曾我兄弟は辛苦をなめて十八年、親の敵を打つて名を千載に傳へ、おのれはいたづらなる筆をなめて十八年、世の憎しみを受け人のそしりをのみ招ぎけり。十八年が同じ月日も用ゐかたによりて變るためしは...

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入れかわった男 (Irekawatta otoko) E. Phillips Oppenheim著

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オーディオブックを聴く:入れかわった男 (Irekawatta otoko) E. Phillips Oppenheim著 入れかわった男 第一章 大事件の発端となるあの災難は、エヴェラード・ドミニーが小一時間も低木の藪を押しわけ、細く渦巻きながら立ちのぼる煙をめざし、子馬に最後の絶望的な努力をしいて巨大な夾竹桃の茂みを通り抜け、前のめりに頭から小さな空き地へ転落した時点にはじまる。翌日の朝、気が...

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芥川龍之介「羅生門」

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オーディオブックを聴く:芥川龍之介「羅生門」 羅生門 芥川 龍之介 著 或日の暮れ方、一人の下人が羅生門の下で雨やみをして居た。――顔を失つた manneキンのごとく、ただ、一人の、下人が。羅生門が、夕闇と、雨とのために、ばらばらになって、その全貌を失つてしまつたのは、もはや、その、時であつた。...

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マルチン・ルターの小信仰問答書 by Martin Luther

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オーディオブックを聴く:マルチン・ルターの小信仰問答書 by Martin Luther マルチン・ルターの小信仰問答書 第一部:十戒について 1.1. 第一の戒め 他の神々を神としてはいけません。 問い これはどういう意味ですか。 答え 私たちは他の何よりも唯一の神を畏れ、愛し、信頼しなければならないということです。 1.2. 第二の戒め 神の名前を誤った目的に使ってはいけません。 問い...

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何處へ (Dokoe) by chō Masamune

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オーディオブックを聴く: 何處へ (Dokoe) by Hakuchō Masamune 何處へ (一) 可愛《かあい》い目元《めもと》をほんのり酒《さけ》に染《そ》めた女《をんな》が高《たか》くさし掛《か》けた傘《かさ》の下《した》に入《はい》つて、菅沼健次《すがぬまけんじ》は敷石傳《しきいしづた》ひに門口《かどぐち》へ來《き》た。...

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法螺男爵旅土産 by 佐々木邦

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オーディオブックを聴く:法螺男爵旅土産 by 佐々木邦 法螺男爵旅土産 佐々木邦譯 暴風と胡瓜の樹の話 拙生の髯が丁年到達の宣言をする以前、もつと碎いて申せば、最早子供でもなく、さりとて未だ大人でもない頃、拙生は世界観光の渇望を口癖のやうに洩らしてゐた。ところが待てば海路の日和とやらで、父はセイロン島への航海に拙生の隨伴を御許可になつた。セイロン島には父の叔父に當る人が、知事として最早長き事居る。...

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武者小路実篤著「友情」

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オーディオブックを聴く:武者小路実篤著「友情」 友情 上 編 一 野島が初めて杉子に会ったのは帝劇の二階の正面の廊下だった。野島は脚本家をもって私《ひそ》かに任じてはいたが、芝居を見る事は稀《まれ》だった。此日も彼は友人に誘われなければ行かなかった。誘われても行かなかったかも知れない。その日は村岡の芝居が演《や》られるので、彼はそれを読んだ時から閉口していたから。然し友達の仲田に勧められると、ふと...

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武者小路実篤著「お目出たき人」

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オーディオブックを聴く:武者小路実篤著「お目出たき人」 お目出たき人 一 一月二十九日の朝、丸善に行っていろいろな本を探した末、ムンチという人の書いた『文明と教育』という本を買って丸善を出た。出て右に曲がって少し来て四つ角の所へ来た時、右に折れようか、まっすぐ行こうかと思いながらちょっと右の道を見る。二三十間先に美しい華やかな着物を着た若い二人の女が立ち止まって、誰か待っているようだった。自分の足...

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火星の記憶 by レイモンド・F・ジョーンズ

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オーディオブックを聴く:火星の記憶 by レイモンド・F・ジョーンズ 火星の記憶 レイモンド・F・ジョーンズ 新聞記者は病院にたいしても客観的にならなければならない。記者の仕事は他人の心を揺さぶることで、自分の心をかき乱すことではないのだ。しかしそんなことを言ったって、いまはなんの意味もない、とメル・ヘイスティングスは思った。この病院のどこかで、アリスが生死の境をさまよっているというときには。...

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